最高裁の更新料判決によって有効な判断をされた更新料は今後どうなっていくのでしょうか?
有効と判断されたことで貸し主による便乗値上げの可能性を指摘する声も出てきております。
判決が出た後の会見で、借り主側の弁護士は「更新料を増額したり、新たに更新料の支払いを求める貸主が増える恐れがある」と訴えました。
しかしながら、実際のところは賃貸住宅市場は便乗値上げができる環境ではなく、逆に更新料は廃止される方向であり、大半の大家もいずれは廃止されることを覚悟しています。
2008年の住宅土地統計調査では、全国の賃貸住宅空室率は過去最高の18.7%で、5部屋に1部屋が空室の状態です。
その後も供給は増えるばかりで家賃も下落傾向が止まっておりません。
たとえば供給過多な福岡エリアなどは、新築ワンルームの家賃が月額5万円、それが3から4年も経つと月額2万円台に下がる物件が目立っております。
また、札幌では6カ月フリーレントという物件も出てきています。
供給過剰につき随分前より、賃貸住宅市場は「借り手市場」であり、ごく一部の人気物件を除けばそもそも更新料を増額できるような状態ではないのです。
こういった供給過剰問題は、貸主優位の時代に作られた慣習をすべて淘汰していくことだろうと思います。
無計画に供給し続けている業界自体が、借主優位の時代を招き、自分で自分の首を絞めていることに気づかない限り、賃貸経営が困難に陥る貸主が増加することは確実ではないかと思います。



