スポーツとは筋書きのないドラマだとよくいわれるが、どんな作家や脚本家をもってしても書けない
スリルがある。
たとえば大相撲の場合だと、同じ勝ち星で並んだ力士同士ぶつかる優勝決定戦は、じつに見ごたえ
がある。これがもしも同じ成績の力士が3人並んだ場合は、3人の三つ巴による優勝決定戦という
ことになる。
さて、この「三つ巴戦」だが、まず力士3人でクジ引きをして最初に戦う2人を決める。それで勝った
力士が、残りの1人と対戦する。こうして2連勝した力士が優勝というのがルールだ。
一見平等に思えるが、じつは必ずしもそうではないのである。
A、B、C という3人の力士が対戦する場合を考えてみよう。3人の力士の力の差がないとすると
、最初のAとBの対戦では、AもBも勝つ確率は2分の1である。
しかし、次の対戦ではすこし事情が変わる。第1戦でAが勝てば、次はAとCとの対戦となるが、ここ
でもしAが勝てばAの優勝がきまるので、Aの優勝確率は2分の1である。
しかしCにしてみれば、ここでAに勝ってもまだ優勝はできない。Cは、Aを破ったうえにさらにBを破
る必要がある。だから、この時点でCが優勝する確率は4分の1である。
このように計算していくと、じつはそれぞれの力士の優勝確率は、A=14分の5、B=14分の5
C=14分の4ということになる。
つまり、最初に対戦するAとBが、Cよりもやや確率が高くなるのだ。



